【薬剤師が分かりやすく解説】AGA ガイドライン ~治療編~ 植毛(FUE法,FUE法)

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それでは今回は『植毛』について書いていきます。

これまで、フィナステリドデュタステリドミノキシジル(外用)について紹介していきました。

初めて医薬品以外の治療法について記載します。

どうぞよろしくお願いします。

植毛とは?

頭皮の中で髪の薄い箇所に、『髪の毛』または『髪の毛の代替品』を植えることです。

自分の髪の毛を植毛することを『自毛植毛』、代替品を植毛することを『人工毛植毛』と呼びます。

植毛のエビデンスは?

植毛のエビデンスは『自毛植毛』なのか『人工毛植毛』なのかによって違います。

AGAガイドラインには、

自毛植毛の推奨度は【B】人工毛植毛は【D】となっています。

Bは『行うよう勧める』、Dは『行うべきではない』とそれぞれ定義されています。

国内でもほとんどの植毛は『人工毛植毛』で行われているようです。

ですので、今回は『自毛植毛』の情報多めでご紹介します。

自毛植毛について

その名前の通り、自分の毛を薄いところに植毛します。

???ってなりませんか?私は初め良く分かりませんでした。だって、ただでさえ薄い自分の頭皮なので『抜いたところが目立つんじゃない?』とか『抜けやすい髪を移して意味あるの?』って思いませんか?

でも大丈夫みたいなんです。

前にも書きましたが、薄毛の原因は男性ホルモンでした。

その男性ホルモンの影響を受けやすいのは頭頂部でした。

少し思い返してみて下さい。サザエさんの波平さんもGTOの内山田教頭も後頭部は髪の毛が残っています。

その男性ホルモンの影響を受けない『後頭部の髪の毛』を抜いて薄い部分に植えると、植えられた毛の性質は変化せず、男性ホルモンの影響を受けにくい髪の毛を薄い部分へお引越しさせることができます。

自毛植毛の種類(FUT法、FUE法)

自毛植毛には代表的な治療法として、『FUT法』と『FUE法』の2つがあります。

FUTはFollicular Unit Transplantationの略(毛包株植毛手術)

FUEはFollicular Unit Excisionの略(毛包株切除植毛手術)

※Follicularは毛根、Unitは単位、Transplantationは移植、Excisionは切除

2つのイメージですが下のイラストをご覧いただければ思います。

FUTは後頭部から帯状に頭皮を切り取り、株(グラフト)ごとに分けそれを薄いところに移植します。

一方、FUEはパンチを使い後頭部の毛根をくり抜き、薄いところに移植します。

引用:AGAヘアクリニックHP

YouTubeで調べると施術の動画が上がっています。1日がかりの手術で頭からの流血も結構酷そうでした、、、(麻酔を使っているので痛みはないようです。)ご興味ある方は調べてみて下さい。

TVでも良く植毛のCMをやっていますが、想像以上に大変そうな手術で驚きました。

FUT法、FUE法の特徴は下記のようになります。

FUT法FUE法
費用より安いより高い
適正範囲より広いより狭い
採取方法メスで後頭部の一部を切り取るパンチで毛根をくり抜く
痛みより多いより少ない
傷跡後頭部に切開し縫合した跡が残るより少ない
施術時間短い長い
生着率高い術者の技術力に左右される

基本的にはこんな感じみたいです。

検討に必要な要素が色々ありますので、興味がある方は専門のクリニックで話を聞いてみると良いかもですね。

人工毛植毛

人工毛植毛はポリエステルやナイロンなどの合成繊維で作られています。

人工毛植毛は本数に制限がないため、自由に髪の毛を増やせることがメリットです。

しかし、人工毛は自分の髪の毛ではない異物ですので、拒絶反応を起こして頭皮に炎症や化膿といった症状を引き起こす可能性があります。

また、1度抜けると再度人工毛を植え込む必要があるため、メンテナス費用がかさんでしまうというデメリットもあります。

そのため、AGAガイドラインでは推奨度Dという低いランクが付いています。

まとめ

今回は『植毛』について解説をしてきました。

男性であれば『自毛植毛』は推奨度Bという事で、治療選択肢に入ってくる可能性があります。

難しのはタイミングです。

今回調べた多くのサイトでは、推奨度Aの治療法(フィナステリドデュタステリドミノキシジル)を試してみて効果がない場合に『’植毛』を実施すべしとしているところが多かったです。

確かにYouTubeで動画を見てみると、結構大変そうな手術でしたし、個人的にも少し気が引ける部分もありました、、、(まずはご自身の目でお確かめください。)

また、この治療は医薬品での治療と違い、必ず医療機関じゃないとできない治療です。

ですので、もし植毛をお考えの方はまずはクリニックに行って、医師に相談してみるのが一番の近道ですね。

次回は『LED および低出力レーザー照射』についてご紹介をしていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。

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