こんにちは。今回は治療編 『LED及び低出力レーザー照射(LLLT)』について解説していきます。
頭皮に光を当てて育毛とは正直初めて聞きました。
ですが、推奨度Bということで選択肢になりうる治療法ですので、調べて分かりやすく解説していきます。
LED及び低出力レーザー照射とは?
まず、『LED』と『低出力レーザー(LLLT)』は別物です。
ただ、原理としては同様で光を頭皮当てて頭皮の毛乳頭細胞を活性化させて育毛することで効果を示します。
それではまず両者の違いについて簡単にご紹介をしていきます。
LED | 低出力レーザー(LLLT) | |
光の波長 | 650nm 付近 | 650nm 付近 |
光の特徴 | 弱い(散光するため) | 強い(散光しないため) |
照射時間 | 長い(10-20分) | 短い(1分くらい) |
実績 | より少ない | より多い |
信頼性 | 許可等はなし | FDAが認可 |
価格 | より安い | より高い |
大切であるのは毛乳頭細胞まで光が届いて効果があることのようです。
下のイラストをご覧の通り低出力レーザーの方が一点集中的に照射できていることが分かります。
ガイドラインの参照を見てみても、『低出力レーザー』でのエビデンスが多く含まれています。
どちらの治療法も推奨度Bということで横並びに書かれていますが、それぞれ別物であることを理解しなければなりません。
エビデンス
AGAガイドラインの内容より解説をしていきます。
110名の男性型脱毛症を対象にした臨床試験で、655 nm 低出力レーザー(週 3 回照射)を26 週間実施した際の有効性を検証しています。
結果は低出力レーザー照射群では照射前に比較して毛髪数は 19.8 本/cm2 増加し,コントロール群(対象赤色光源)では 7.6 本/cm2 減少した。という結果でした。
またレーザー照射後の副作用は 4 例で軽度の照射部の異常知覚、4 例で軽度の蕁麻疹が生じました。
有効性の部分は、コントロール群に振り分けられた人がかなりかわいそうな状況になっていますね。
この他にも、幾つか臨床試験が行われており、LED及び低出力レーザー照射の有効性が確認されています。
また、LED及び低出力レーザー照射は女性でも有効性が確認されています。
フィナステリド、デュタステリドなどの男性ホルモン系の薬剤(推奨度Aの治療法)は、女性には使えませんので『LED及び低出力レーザー照射』は女性の薄毛には力強い味方になってくれそうですね。
どのように治療するか?
続いて、どのように治療するかについてご紹介します。
治療する場所については、『クリニック』、『自宅』の選択肢があります。
どちらも頭皮に光を照射するという治療法は変わりません。
クリニックであればクリニックで使用しているデバイスを使い都度利用で料金を支払うことが多いようです。
一方、自宅で治療する場合は、デバイスを購入し、使用することになります。
ガイドラインに載っている臨床試験にもあるように、週3回 26週間と使用頻度多く、期間が長い治療になります。効いていれば治療期間も伸びるでしょうし、ご自身で購入し自宅で使う方が負担が少ないかもしれませんね。
家庭用のデバイスですが色々な物があるようです。下に写真を張り付けますのでご参考下さい。
LEDヘアケア
まとめ
読んでいただきましてありがとうございました。
今回は、LED及び低出力レーザー照射について紹介しました。
『LED』、『低出力レーザー』と並べられていますが、エビデンスや値段などが違うことは覚えておきましょう。
女性でも有効性が認めらています。
女性は薬剤の選択肢が少ない状況ですので、有効な治療手段になると思います。
医療機関に罹ることなく始められますが、照射部位に異常がありましたら、念のため医療機関に罹ることをお勧めします。(臨床試験でも蕁麻疹などの有害事象が発生しています。)
次回はアデノシン(推奨度B)について、紹介をしていこうと思っています。
引き続きよろしくお願い致します。
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